小規模宅地の特例と配偶者控除の特例
小規模宅地の特例とは
亡くなった人(被相続人)が所有していた自宅、事業、貸付用の宅地の評価を減額するというものです。
相続開始前3年以内に贈与等により取得した土地には適用されません。
特定居住用宅地
自宅として使用していた土地は条件を満たせば330㎡まで80%減額できます。
適用の条件は
①配偶者が相続する場合→無条件で使用できます。
②同居親族が相続する場合→被相続人と一緒に住んでいた親族が相続した場合で死亡する前から同居しており相続税申告期限まで(亡くなった後10カ月)居住している場合
③被相続人と別居の親族が相続する場合→被相続人に配偶者がなく、別居している親族で3年以上自分の持ち家に住んでいない
②に関して、被相続人が生前老人ホームに入っていて死亡した場合でも被相続人が要介護認定を受けていて老人ホーム入居後に自宅を貸し出しておらず、入居している老人ホームが都道府県に届を出しているならば適用できます。
貸付事業用の小規模宅地の特例
被相続人が賃貸物件として使用していた土地は、賃貸経営を続ける人が相続した場合に条件を満たしていれば評価を減額することができるというものです。
アパートや駐車場の場合は条件を満たせば200㎡まで50%減額できます。
適用の条件は
①土地を相続した人が、被相続人と生計を一にしていた人で相続税申告期限まで、賃貸経営を継続するのであれば、適用されます。10カ月以内に物件は売却をする場合には特例は受けられません。
②建物または構築物の敷地として使われている土地であること
青空駐車場には特例は使用できません。舗装や砂利を敷いている等が必要です
③適切な対価をもらっている事
特定事業用の小規模宅地の特例
被相続人が事業(不動産の貸付を除く)をしていた建物などの敷地について事業を続ける人が相続した場合に条件を満たしていれば評価を減額することができるというものです。
条件を満たせば400㎡まで80%減額できます。
適用の条件は
①被相続人の事業の用に供されていた宅地等の場合は、その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいることとその宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
②被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用に供されていた宅地等は、相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいることとその宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
配偶者控除の特例とは
相続税の配偶者控除は、配偶者の老後の生活の保障、財産の形成には配偶者の貢献があったこと等を考慮し、配偶者の税額を軽減し負担をできるだけ少なくしようという特例です。
配偶者控除の内容
被相続人の配偶者は1億6,000万か配偶者の法定相続分相当額(課税価格の合計×配偶者の法定相続分)のどちらか多い金額を相続税額から控除できます。
配偶者控除を受ける条件
① 戸籍上の配偶者であること。内縁関係では認められません。
② 相続税の申告期限まで遺産分割協議が終了していること
③ 相続税の申告書を税務署に提出すること
小規模宅地の特例も配偶者控除の特例も申告しなければ受けられませんので注意が必要です。
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