生命保険で相続税対策
生命保険は相続税対策として有効であると思われます。有効性は下記の4点です。
① 現金をすぐに受け取ることができます。
生命保険を利用することで、葬儀費用や納税資金のために現金が必要となった場合にすぐにお金の調達が可能となります。名義人の死亡時点で、金融機関の預金は「相続財産」の扱いとなり、遺産分割協議が整うまでは、預金の引き出しができません。
各金融機関によって方法は異なりますが、預金を引き出すためには遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書、戸籍謄本などの書類を提出する必要があるため、手続きに相当な時間がかかります。
これに対して死亡保険金は、受取人が請求手続きをすれば、5~10日程度で受取人が指定する口座に支払われます。
② 預金をするよりも大きな金額を得ることができます。
貯蓄の場合、今月から10万円の積立を始めて、1年後に相続が発生しても120万円の現金にしかなりません。生命保険の場合は、今月に1回の保険料10万円を支払って5,000万の保険に加入すれば、たとえ翌日に亡くなったとしても原則5000万円が受け取れます(あくまでも原則であり、当該例外はございます)下世話な話かもしれませんが、いつ起こるかわからない相続の納税資金対策としてはとても有効な方法です。
但し、生命保険は年齢や健康状態で加入できないという制約もあるので、気がついた時には遅かったということのないよう早めの手続きが必要です。勿論、生命保険で相続税の全額が賄えるということではなく、ある程度加入しておけば、納税にゆとりが出るくらいに考えたほうがよいでしょう。
③ 節税効果があります。
相続税の計算をするときは遺産総額から3000万円+法定相続人の数×600万円という基礎控除が適用されます。
生命保険が相続財産となる場合は合計する前に最大で法定相続人の数×500万円までを非課税額とできます。
例えば相続人が妻と子供3人だとすると生命保険の非課税枠は2.000万円(500×4)になり妻だけが生命保険を受け取った場合でも2,000万円分を保険金から差し引くことができます。
④ トラブル回避に有効です。
生命保険は、明確な遺言者がなく遺産分割協議(遺産を誰に渡すのかの話合い)になっても死亡保険金の受取人が決まっているので相続しやすいのです。遺言書に記載されている内容が、法定相続人が遺留分(最低限相続できる財産)を侵害した場合でも、死亡保険金は遺留分の対象にはなりません。遺したい人に確実にお金を渡せるので、親族間のトラブルを回避することができます。
では、どんな商品を選べばよいのでしょうか?
基本は終身保険です。
相続で保険を利用する場合、絶対に外せないポイントは相続税発生時に必ず保険金が受取れることです。この条件を満たすのが終身保険です。また、保険契約者、被保険者、受取人等を誰にするかで、贈与税、相続税、一時所得、雑所得等、税金の取り扱いが異なりますので注意が必要です。
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