戸籍の読み方・取得方法
戸籍謄本とは
戸籍謄本は、戸籍の内容を証明するものですが、種類によって異なる名称が使われます。
・戸籍謄本 戸籍内の全員の内容を複写した書面のこと
・改製原戸籍謄本 戸籍制度改正により戸籍の様式が変更された際の書換前(改正前)の戸籍謄本を改製原戸籍(かいせいはらこせき)といいます。
・除籍謄本 戸籍内の全員がその戸籍からぬけた状態の戸籍謄本を除籍謄本(じょせきとうほん)といいます。
戸籍謄本の改製
戸籍の様式や編成基準は法令等の改正により変更されています。
新しい様式や編成基準にあわせ戸籍を書換ることを改製といいます。

相続に必要な書類について
・被相続人の出生から死亡までの戸籍
【出生から亡くなられるまでの連続した戸籍謄本の一例)(※あくまでも参考です)

戸籍の枚数は被相続人の過去(結婚・離婚・転籍・養子縁組等)と法改製により異なります。
・相続人の現在の戸籍
・被相続人の戸籍の附票または住民票の除票
不動産の名義変更をする場合
・被相続人の戸籍の附票又は住民票の除票(本籍地の記載のあるもの)
銀行等解約手続きをする場合
・相続人の印鑑証明書
戸籍謄本収集時の注意点
◇被相続人を中心とする相続関係説明図を作成すると戸籍謄本の収集の際便利です。
◇戸籍謄本は一番新しい戸籍(被相続人の死亡の記載のあるもの)から古い戸籍へ順番に取得していくのが間違いがありません。
兄弟姉妹が相続人の場合、上記書類の他
・亡くなられた両親の出生から死亡まで戸籍謄本
・祖父母の死亡の記載のある戸籍
戸籍謄本の入手方法について
◆戸籍謄本は、一番新しい戸籍(死亡が記載されているもの)から古い戸籍に遡って取得していきます。(死亡後記載されるまで、死亡届を提出してから1~2週間ほどかかります)
◆戸籍謄本は本籍地に請求します。亡くなった時の本籍地が不明の場合は住民票を取得し、その際に「本籍地記載のあるもの」を請求してください。
◆戸籍謄本の「戸籍事項欄」の戸籍の編製事由、編成日、除籍日と亡くなられた方の「身分事項欄」の出生事項、婚姻・離婚事項などの発生日を確認し、前の本籍地、その戸籍の筆頭者を確認し以前本籍のあった市区町村に請求していきます。
◆戸籍謄本等は本籍地の役所の窓口で請求するか郵送で請求します。
◆申請書類、手数料は各役所によって異なるので事前にホームページを参照にして申請の仕方をご確認ください。
◆郵送で申請する場合には、申請書、定額小為替、返信切手を貼った返信用封筒(赤字で不足分受取人払と記載)身分証明書のコピーを同封するのが一般的です。
(その役所で取得できる枚数がわからないので多めに小為替を同封してください。)

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具体的な戸籍のたどり方
以下の事例をもとに戸籍謄本を入手する際の具体的な流れをご説明します。
- 被相続人:利根太郎
- 死亡時の本籍地:秋田県秋田市〇〇1丁目〇番〇号 筆頭者:利根太郎
- まずは被相続人の死亡時の戸籍をこの場合は秋田県秋田市に請求します。
役所に請求する際に「出生から死亡まで」と記載すればこの前の戸籍も同時に取得できる場合があります。
①現在の戸籍謄本(平成6年式戸籍)…死亡時の戸籍

この戸籍で改製前の戸籍があること、妻がいる事がわかりました。
次は改製前の戸籍を取得します。
②改製原戸籍謄本(①の前の戸籍)
①の戸籍(コンピュータ化戸籍)の改正前の戸籍です。
(冒頭に平成六年法務省令…による改製につき平成拾四年拾弐月弐拾壱日消除の記載があります)
①に太郎さんの身分事項欄を見ると山田シスと婚姻昭和…神奈川県…利根一郎戸籍より入籍の記載がありますので、この一つ前の戸籍は本籍が「神奈川県〇〇市」にあり筆頭者が「利根一郎」であることがわかります。
一つ前の戸籍謄本の請求の際には本籍、筆頭者氏名の他、使用目的には「利根太郎の相続手続きのため出生から死亡までの戸籍が必要」と申請書に記載し、婚姻前の本籍地である神奈川県〇〇市に請求します。

この戸籍で婚姻により戸籍が作られたこと、子供が一人いることがわかりました。
次は婚姻前の戸籍を取得します。
③除籍謄本(利根太郎の婚姻前の戸籍)
②の戸籍で確認した従前ンの本籍地神奈川県に請求した婚姻前の戸籍です。
①太郎の身分事項をみると「出生事項」と「婚姻事項」が記載されています。
出生事項の記載はありますが、②の戸籍事項欄に昭和32年法務省令により…昭和33年4月25日、本戸籍改製の記載があり、太郎さんの出生が昭和8年であることからこれより前に戸籍があることがわかります。
この戸籍の改製前の戸籍は同じ本籍地にあります。

➃改製原戸籍謄本(出生時の戸籍)
この戸籍は戸主制度時代の戸籍です。夫婦と子供以外の続柄の人も記載されています。
①の戸籍事項をみると、昭和4年に家督相続によりこの戸籍が編製されたことがわかります。
②の太郎の「身分事項」にある出生事項は、出生したのが昭和8年で、この戸籍編成時(昭和4年)より後になるので、これが出生時の戸籍となります。

以上で戸籍謄本の取り寄せは終了です。
利根太郎の事例では、一番新しい戸籍(死亡記載の戸籍)からより古い戸籍へさかのぼって取得していった結果、出生から死亡までの戸籍は①~➃の4種類になりました。
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